# PRENの計算方法と、その数値で決められないこと

Canonical: https://jundapipe.com/ja/blog/pren-calculation-stainless-steel

PRENは成分から計算できる指標ですが、腐食試験の結果でも海水用途の保証でもありません。公開式を使った計算例、入力データの出所の区別、引合いに書くときの条件を決められます。

PRENは、ステンレス鋼の耐孔食性を比較するために化学成分から算出するスクリーニング指標です。計算に使う式を明示し、提示された化学成分値から求めます。腐食試験の結果や海水環境での使用保証として扱うことはできません。実際の使用条件での材料選定を置き換えるものでもありません。

IMOAの[二相ステンレス鋼解説](https://www.imoa.info/molybdenum-uses/molybdenum-grade-stainless-steels/duplex-stainless-steel.php)では、次の式を示しています。

**PREN = %Cr + 3.3 × (%Mo + 0.5 × %W) + 16 × %N**

ここでの%は質量%です。タングステンを含む材料では特に、結果を比較する際に式と係数を併記してください。

## 計算例はどのようになりますか？

ここでは、クロム25.0%、モリブデン4.0%、タングステン0%、窒素0.27%という仮の組成を使います。計算手順の説明用に作った入力値であり、Jundaのヒート分析値でも、特定鋼種の合格範囲でもありません。

| 寄与成分                 | 計算                  |  結果 |
| ------------------------ | --------------------- | ----: |
| クロム                   | 25.0                  | 25.00 |
| モリブデンとタングステン | 3.3 × (4.0 + 0.5 × 0) | 13.20 |
| 窒素                     | 16 × 0.27             |  4.32 |
| 合計                     | 25.00 + 13.20 + 4.32  | 42.52 |

ほかの仮定値を変えずに窒素を0.24%にすると、42.04になります。差の0.48は16 × (0.27 − 0.24)からそのまま導かれます。どちらの結果も、実測した耐食性能を示すものではありません。

## 実際の比較ではどのデータを使いますか？

化学成分が、鋼種の参考表の値なのか、規格の許容範囲なのか、実際のヒート証明書の値なのかを区別します。この3つは混在させないでください。IMOAの表では、掲載されたPREN値に想定公称組成を用いており、化学成分表の出典上の限界についても注記しています。[参考注記](https://www.imoa.info/molybdenum-uses/molybdenum-grade-stainless-steels/duplex-stainless-steel.php)

証明書に基づいて計算する場合は、ヒート番号、証明書番号、各元素の値、使用した式を記録します。窒素が報告されていなければ、都合のよい公称値で補って実測のヒートデータとして提示してはいけません。不足する分析値を入手するか、推定値であることを明示してください。

丸めは計算後に統一した桁で行います。中間値をその都度違う桁で丸めると、似た内容の提案の間に誤解を招く差が生じます。

## PRENが高くても合格の根拠にならないのはなぜですか？

PRENは、選択した化学成分の寄与を要約したものです。熱処理、金属組織、表面状態、形状、加工、使用環境は示しません。これらには、それぞれ別の根拠が必要です。

[ASTM A923-25](https://store.astm.org/a0923-25.html)は、化学成分と機械的特性の適合が、二相ステンレス鋼における有害相の不存在を必ずしも証明しないと明記しています。プロジェクトが要求する場合は、適切な金属組織検査を別途選択する必要があります。

根拠は3段階に分けて考えます。化学成分のスクリーニングで候補を絞り、規定の試験で所定条件下の材料を評価し、エンジニアリング評価で使用環境への適合性を判断します。1段階目の数値が、残り2段階の代わりになることはありません。

## 引合いではPRENをどのように記載しますか？

プロジェクトがPREN要求を課す場合は、式、データの根拠、合格しきい値、必要書類を明示します。この要求は、製品仕様とあわせて責任エンジニアの承認を得てください。

Jundaは[S32750 スーパー二相鋼管](https://jundapipe.com/products/s32750-super-duplex-steel-pipe)を掲載していますが、カタログには将来の注文に対するヒート別のPRENはありません。[カタログ出典](https://jundapipe.com/products) 必要な根拠は[お問い合わせページ](https://jundapipe.com/contact)からご依頼ください。二相ステンレス鋼の検査要件は[二相鋼管の検査要件](https://jundapipe.com/blog/duplex-pipe-heat-treatment-inspection)で別途ご確認ください。
